桜ジョギング

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ジョギングをした。昨日今日と続けて走った。あまり気が進まなかったけど、体のために週に一回は走りたい。一週間前に何ヶ月ぶりかでジョギングをしたら、その後3日間はひどい筋肉痛になってしまった。週末は一万歩は歩いているけど、走りで使う筋肉とは全然ちがう。走ってみればわかる。お尻、太もも、ふくらはぎ、スネ、下半身全部が筋肉痛だった。日常的に週2、3回ジョギングしていたころは筋肉痛にはならなかった。さぼってしまったばかりに、ひどいありさまだ。

 

さて、準備をして外に出る。花粉症はシダキュアのおかげでよくなり薬も飲んでいない。ジョギングしても大丈夫だろうと思ったので、薬も持たなかった。花粉と日差しよけにサングラスをかける。いつもの公園を目指して走る。途中、マンションが立ち並ぶ場所に桜並木が広がっている。もうすっかり満開、今年は暖冬だったから早い開花だ。ひらりひらりと桜の花びらが落ちている。灰色のアスファルトに白い花びらがくっきりと目立っている。昨夜は強風だったから花びらの数が多い。昨日走った時はこんなにはなかった。

同じ場所でも日々変化している。昨日と今日を比べればささいな変化だ。今は花が咲いているけど、それはみずみずしい緑の葉っぱとなり、枯れて落ち葉になりなにもなくなっていく。寒い冬は寡黙にじっと耐え、春にまた花を咲かせる。それも最後は朽ち果てていく。

 

私は今まで花を咲かせたことはあっただろうか。ところどころで、たぶんあったと思う。定義は人それぞれだけど、多かれ少なかれ誰でも花を咲かせている。立派な大きな花でなくてもいい。ちいさな花でも目立たない花でもたまに咲かすことができるなら充分だ。そしてこれからは花を咲かせていくことはできるだろうか。

 

桜並木を抜けると公園はもうすぐそこだ。一周2kmの周回コースを走る。ここでも桜並木が満開だ。くわしい種類はわからないけど、大きい木には白っぽい花が、ちいさめの木にはピンクの花が咲いている。

ゆっくりと散歩している老人たち、犬の散歩している人たち、中央の芝生ではサッカーをやっている少年が数人。別な広場ではゲートボールをしている老人たち、ヨガ体操をやっている年配の女性たち。同じくジョギングをしている人たちとすれ違う。広々としている公園なのでストレスなくゆったりと走れる。いつもの風景だ。昨日も走ったから足が少し重い。目の前の少し先の風景を眺めて走る。平凡な日常、平凡な景色だ。

 

ふと、桜の花びらがひらりひらりと落ちてくる。「落ちてくる花びらをつかまえると幸せになれる」と聞いて、なんども挑戦したことがある。桜も盛りを過ぎると、あちらこちらでたくさんの桜吹雪になる。まっすぐには落ちてこない花びらをとるのはかなり難しく、なかなか捕まえられない。それもやっと捕まえることができた。ぎゅっと握りしめたこぶしをそおっと開くと、桜の花びらがひとつ。薄く弱々しく儚げだ。握り続けていたら手の熱でなくなりそう。この花びらは以前私が咲かせた花だったろうか。