なんでも丸かじり

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丸かじりはおいしい。丸かじりと言って思いつくものは、まずキュウリ。それも田舎の畑で太陽の光をさんさんと浴びて育った採れたてのやつ。そう簡単に言うけどそんなの食べたことあるのか?と言われればあります。実家は田舎なので畑で家庭菜園をやっているし、おばあちゃん家は農家なので子供の頃はよく野菜をとったものだ。採れたてキュウリはとげとげが痛い。食べきれずにほおっておくとヘチマみたいに巨大化する。

言うほどキュウリの丸かじりをするか?と言われれば、そんなにはないな。夏にキュウリをお店で買ってきても丸かじりはしないなぁ。食べやすく縦に切って味噌をつけて食べる。しかしこれだと趣旨にそぐわないので終わりにする。あ、今思い出したけど、お祭りでキュウリ一本漬けはよく見るね。棒にささっているのを丸かじりする。

野菜つながりでいくと、トマトの丸かじり。「田舎の畑で太陽の光をさんさんと浴びた採れたてトマト」これを「井戸水でザバァと洗い、真っ赤に熟したそれにガブリと食らいつく。赤い汁が口からしたたり手でぬぐう。甘くて赤い太陽の味がした」。やはり包丁で切るよりこっちのほうがおいしそうだ。

トウモロコシも丸かじり向きだ。ナイフとフォークで食べないだろう。丸かじりしないでどうする。むしゃむしゃとハーモニカのようにして食べるのがいい。そういえば北海道旅行で食べたトウモロコシ、甘くておいしかったな。茹でたのも焼いたのも。

果物でいえば、熟した桃の皮をめりっとむいてかぶりつくのもいい。甘い汁がしたたるので台所で食べる。バナナはよく食べているけど、あれ食べやすいね。人間の口にちょうどいい大きさになっている。と言いながら実は丸かじりせず、手で何個かに分解して皿に置いてフォークで食べるのもよくやる。落ち着いてちょっとづつ食べられるのがいい。

まぁここまでは普通の丸かじりだ。丸かじりのなにが醍醐味なのがというと「これ丸かじりするか?」って贅沢きわまりないのをやるのがいいのだ。背徳感っていうのか。

たとえば、ようかん。実はようかん好きで一時期は冷蔵庫のなかにストックしていた。ミニじゃなくて普通の大きさのやつ。しかしいくら好きでも丸かじりは血糖値爆上げするな。若い時はまだいいけど。水ようかんくらいの柔らかさなら食べやすそうだけど、「とらやの羊羹」だと硬さがしっかりしているから一口で満足しそう。高いしね。

カステラの丸かじりはどうか。「カステラ1番、電話は2番、3時のおやつは」の文明堂のカステラなら近くのイトーヨーカ堂に売っている。たまごたっぷりしっとり食感といっても喉詰まらせそうだな。あれ、よく考えたら丸かじり中は飲み物禁止とは誰も言っていない。でもなぁ、なんか飲みながらカステラ一本丸かじりしたら、余計にお腹がふくれて「あぁもう今晩のご飯はいらないよ」ってね。鈴カステラくらいで妥協しておくか。

ホールケーキの丸かじりはどうか。以前これやったことあります。それもクリスマスに夜遅く仕事から帰ってきて、近くのコンビニで買って、ローソクたてて火をつけて消して一人で食べた。ホールケーキを切らずにフォークで突き刺して食べるのが夢だった。全部は食べきれなかったけど楽しかったな。ケーキはわりと水分があるからいける。

なんか甘いものばかりになってしまったけど、ちくわの丸かじりは好きだ。ちょっと高くてプリプリしたやつ。肉好きな人なら塊肉をガブリとね。血もしたたるようなステーキ。丸かじりしたら原始時代に戻りそう。血が騒いじゃったりしてね。