納豆

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ふと、思った。なぜ今まで納豆のことを書かなかったのか。思いおこせば納豆は子供のころから食べ続け、今でもほぼ毎日食べている。「灯台下暗し」とか「頭の上にメガネのせて、メガネメガネと探している」というように、あまりに身近な存在だから気がつかなかったのだろう。

 

子供のころから食卓に納豆はよく並んでいた。冷蔵庫に納豆をきらすことはない。今でも実家ではその風景は変わらない。家は東北なので、納豆に白砂糖をかけて食べていた(子供の時だけ)。わりと少量で粘る。とくに子供にはおいしく食べやすくなるのかな。砂糖をかけて混ぜると、とんでもなく納豆が粘る。どれくらいすごいって、混ぜた箸だけで納豆パックが宙に浮くくらいだ(本当か)。もうすごいからやってみてほしい。

 

納豆は、安くて、おいしい、栄養豊富の三拍子そろっている。だから一人暮らしのときも重宝してきた。納豆はクセがあるので、味や匂い、粘りが苦手で好き嫌いがあるだろう。子供のころから食べていたので抵抗感はまったくない。

 

関西の人は納豆を食べないというが、「納豆を食べないと骨折しやすい」「40歳以上の女性の大腿骨骨折は中部から九州にかけての西日本で高い」という興味深いデータがある。女性ホルモンが減少し、骨密度が低下する。カルシウムの骨への取り込みを助けるビタミンKの血中濃度は東日本で高く、ビタミンKを多く含む納豆の消費量が関係するといった報告もある。

 

スーパーの納豆コーナーを見てみると、かなりの数の種類がある。ひきわり、小粒、中粒、大粒、国産、カナダ産、におわなっとう。タレは蓋と一体化したパキッとたれ、たまご醤油たれ、梅風味黒酢たれ、まろやか昆布だしだの、まあきりがない。

 

私の好みは国産の中粒。ふっくらして大きさも食べ応えがあっていい。しかし世の中の納豆は、極小粒だの小粒が多い。ちょっとさびしい。大粒も食べたことあるけど、立派な趣でとても存在感がある。「ははー」と土下座して、正座して食べることになる。

 

タレにはとくにこだわりがない。付属のタレをかけた納豆をご飯にかけると、やはりちょうどいい塩梅。納豆だけ食べるときはタレが多いので少なめにかける。あまり甘いタレはいやなので、市販のしょうゆや粗塩をちょっとかけて食べたりもある。塩は納豆の素材そのものの旨みが味わえる。

 

それに青ジソ、黒ごま、アマニ油などかけて食べる。こうなるとアレンジは無限大だ。大根おろしをかけてもいいし、ネギ、ミョウガなどの薬味もいい。オリーブオイルや香ばしくごま油をかけたっていい。キムチだって相性いいし、味噌も同じ大豆の発酵食品だからよさそうだ(やったことない)。

納豆トースト、納豆チャーハン、納豆パスタ、納豆汁(子供のころひきわり納豆でたまに食べた)など、納豆を使ったレシピまで考えたらきりがない。納豆を使ったお菓子もある。

みんながどのようにして食べているのか気になるところだ。 

 

 

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コーヒーと砂糖

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家から学校までは歩いて行ける距離だった。それなりに近いような遠いような距離で20分以上はかかった。自転車通学にしたのはしばらくあとのことだ。

 

学校の授業がおわって、仲のよい二、三人の友達と一緒に歩いて帰り、家で遊ぶこともけっこうあった。あのときはいったい何をしていたんだろう。最近になって母にそう聞くと「勉強するって家によく来てたよね」と言った。そうだっけ。そういえば頭が良い友達がいたから、教えてもらった記憶がある。問題の文章をちらっと見ただけで「難しそう、読むのもめんどう」と言った私にその友達は「問題の文章はじっくり読んだほうがいい」と時間をかけて読んでいた。そうして問題をさらさらと解いていた。そうか、そこからして取り組み方がちがうのか。当たり前だけど、問題がなんなのか理解しないとその先には進めない。出来る人は集中力と忍耐力もちがう。いまだに、びっしりと文字が書いてある説明書には拒否反応がでてしまう。読むのも面倒くさい。

 

そうやっているうちに母が、飲み物とかおやつを持ってきてくれる。三人分のおやつだから多い。パン屋で買ってきた惣菜パンやら甘いのやら、いろんな種類のパンが大皿に出されたのを覚えている。棒にささったソーセージ入りの揚げパンがあった。そんなささいなことを今でも覚えている。三人ですべて完食した。フルーツ味のこんにゃくゼリーを何袋も開けて食べたこともある。これはおやつなので、友達が帰ったあとの夕食は普通に食べていた。高校生は食べざかりなのだ。

 

そのときからコーヒーを飲んでいた。砂糖とミルクて甘くして飲んでいた。コーヒーメーカーで入れるブラックコーヒーは、美術部の先生が出してくれて、その後飲めるようになっていた。その時の記事は「美術室とブラックコーヒー 」書いた。

 

また別な友達が遊びにきたとき。キチタニくんは弾き語りでギターを弾く。すでにライブラウスでライブをやっている腕前だ。レイミちゃんはバンド好きでキチタニくんとも仲が良かった。私もバンドが好きでエレキギターをやりはじめたばかりだった。まだ初心者の私に、キチヤくんは簡単なロックのコードを教えてくれた。

 

そうやっていると母がコーヒーを出してくれた。そのとき私はもうブラックで飲めるようになっていた。しかしキチタニくんはかなりの甘党らしく、透明なガラス瓶に入ったグラニュー糖をスプーンですくい、さらっとコーヒーに入れた。一杯、二杯、三杯。えっ、と思ったがまだつづく。ぜんぶで五、六杯、七杯と続いた。とんでもない量だ。「最近、砂糖いっぱいとって関節が痛い」だのなんだの言っていた。

 

いつもブラックで飲むけど、透明な茶色の大きめの砂糖「コーヒーシュガー」って見ているだけで綺麗でなんかいいよね。

 

 

一生に一度は、映画館でジブリを。虫について。

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「一生に一度は、映画館でジブリを。」のキャッチフレーズで、全国の映画館でジブリ映画が上映されている。「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ゲド戦記」の四作品。

長年のジブリファンで宮崎駿監督の映画が好きなので、週末に一本づつ「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」を見に行った。それぞれ何度も見たことはあるが、映画館の大画面で見られるのはもうないだろうから貴重だ。久石譲の音楽も世界観があってとてもすてきだ。

  

小学生低学年のとき「風の谷のナウシカ」をはじめて見た感想。「王蟲が気持ち悪くてこわい!」。話はなにもわからなかったし、ちゃんと見ていなかった。ただ、色んな大きい虫がでてくるのは面白かったし、戦いのシーンがあったりでインパクトがあった。

 

当時はテレビで再放送していたから、また見る。風の谷の姫、ナウシカ(16歳)にすっかり心を奪われてしまった。姫としてみなに慕われていて、かわいくてやさしいのに強くて格好いい。当時もじもじしていた内向的な私はあこがれた。私もそうなりたい。

アニメ雑誌アニメージュ」を買うようになった。アニメキャラの人気投票があって一位はずっと「ナウシカ」の時代。とうぜん私も応援していた。私のなかでナウシカがずっとヒロインだった。

 

王蟲ってダンゴムシにも似てるけど、そのダンゴムシですら気持ち悪くて触れない。黒くつやつやして硬い鎧をまとっていて足が14本(もっと多いかと思った)。つつくとコロン、と丸くなる。死んだふりか。まぁ愛嬌はあるけど。そういえば中学生のとき理科の女の先生が、ダンゴムシをシャーレに入れて「かわいいよ」と言って触らせてた。丸くならないのはワラジムシ。気になって画像を見てみたら、うわあ、やっぱり気持ち悪い。

 

子供のころはトンボや蝶々、くもや毛虫(刺されないよう、そっと毛の部分だけを持つ)をさわって捕まえることもできた。田んぼにいるヒルだって捕まえた。子供に大人気のカブトムシやクワガタムシはよろこんで捕まえた。

トンボは捕まえようとすると、噛み付こうとして痛いし凶暴だ。捕まえるとシッポからポロポロとちいさな卵をうんだ。捕まえられた危機感だろうか。かわいそうだからそのあと逃してやった。秋になると赤トンボがでてくる。きれいだから捕まえるとポイント高い。田んぼには、細く可憐なイトトンボ。光るグリーンやブルーの色合いできれい。めったに目撃できない、体長9〜11セントほどの大きいオニヤンマ、ギンヤンマを見たときは驚きよろこんだ。

 

今ではトンボだって気持ち悪くて近寄りたくない。よくあんなグロテスクなものを捕まえて喜んでいたもんだ。子供のときは、なんにでも興味しんしんで警戒心がうすいからね。大人になるにつれ知識もつき「虫は気持ち悪いもの」と認識するようになるのか。

これでは蟲を愛する姫君、ナウシカにはとてもなれそうにもない。いや、年齢的にもムリだけどさ。

 

 

ジブリ映画をより楽しむために「岡田斗司夫さん」のYouTubeがとてもためになる。かなりマニアックで深い洞察力と知識に驚かされる。

www.youtube.com

 

風の谷のナウシカ [DVD]

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ビール

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前回は「ウイスキー 」の記事を書いたが、はじめてのお酒はなんだったのか記憶をたどる。

 

思い起こせば、学生時代よりももっと昔に飲んだことがあるではないか。私の父はお酒が好きで毎日晩酌をしていた。ビールや日本酒を飲んでいた。酒豪というわけでなく、ほどほどに嗜む程度だった。仕事が終わったあとの、ゆったりとした楽しみだったんだろう。

 

透明なグラスに注がれた、しゅわしゅわと泡がはじけた琥珀色のビール。炭酸のちいさなつぶつぶがグラスに点々とくっついていて、いかにもおいしそう。小学生だった私はそれを見て、まるでレモンジュースとかレモンスカッシュのようだと思った。興味津々で見ている私に「ちょこっと飲むか」と父は飲んでいるグラスをさしだした。わくわくして一口飲むと「うわー苦い!」と顔をしかめた。父は笑っている。見た目とちがってその液体は苦くておいしくない。「大人はなんでこんなの飲むんだろう」と思った。

 

お盆や正月には、おばあちゃんの家に親戚がたくさん集まる。夜にはきまって男たちの酒盛りがはじまる。ビールに焼酎、日本酒。女たちが作ったご馳走を食べ、酒を飲む。台所で女たちがご馳走作りで忙しく賑わっている。ご馳走は次から次へと運ばれる。母は「おばあちゃんの味付けが抜群にうまい」と言って感心していたのを覚えている。男たちは酒をどんどんと飲み、顔が赤くなり陽気になっていく。酒の楽しさおいしさを知らないから、みんなが酔っ払いになっていく様子を不思議な気持ちで見ていた。そんな私もビールに興味がでてくる年頃になる。

 

友達の家ではじめて飲んだビール「バドワイザー」。アメリカで横文字で格好いい。当時ロックバンドのグッズを売っているお店でよく見かけた。苦くて飲めたもんじゃないけど「飲めると大人みたいで格好いい」と思ってがまんして飲んでみた。うーん、苦い。まずい。しかし半分ほど飲むと体ふらっとして楽しくなってきた。気分も陽気になる。一缶も飲むとふらふらになってしまってもう立てなくなった。「酒ってすごいな、アルコールの力ってすごいな」と思った。このころは二日酔いのことを知らない。やはりはじめのころはアルコールに耐性がないもんだから弱い。

 

そんな私も社会人となり、どうどうとお酒が飲める年齢になる。酒のなかではビールが好きだ。かるい飲み口で気楽に飲めるからいい。とくに夏になると飲みたくなる。仕事おわりにビール一缶飲む時期もあった。あ、ビールじゃなくて発泡酒だけど。

 

一人だと一缶でお腹いっぱいになってしまうけど、友達との飲み会ではたくさん飲めてしまえるのが不思議だ。すぐトイレが近くなるので、飲んで出しての繰り返し。飲み会ではずっと生ビール、焼酎や日本酒は飲まなかった。居酒屋のセールで生ビール一杯100円のときは安いので5、6杯くらい飲んだ。飲み過ぎでお腹いっぱいになった。

 

今はすっかり飲まなくなってしまった。アルコールよりもただの水のほうがおいしい。体がスッキリとする。体がだるくならないのがいい。たまの週末にノンアルコールビールをちいさなコップで飲むくらい。それでも夏の冷えたビールにはそそられるものがある。 

 

 

ウイスキー

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「お酒は二十歳になってから」というが、はじめて飲んだのはいつのことだったか。いつかははっきりと覚えている。もう時効だから言うけど二十歳前から飲んでいた。そういう人は多いんじゃないか。飲んだと言っても、味がわかるわけではない。苦いしおいしくないし、はっきり言ってマズイ。「うまい」と言っている大人の気持ちがわからない。体はふらふらしてくるし、それ以上いくと気持ち悪くなってくる。しかしそのころは、少しだけ酔った「ほろ酔い状態」が一番楽しかった。

 

酒を飲めると大人になった感じで格好いいと思っていた。そのとき80年代洋楽ロックバンドに熱中していた。ガンズ・アンド・ローゼズモトリー・クルースキッドロウ、などなど。彼らはきまってウイスキーの酒瓶片手にラッパ飲みをしている。ホテルからテレビを投げつける。なんて豪快、無法者、警察御用、危険な香り。私とは住む世界がまるでちがう。しかしそこにシビれるあこがれる。まさに「中二病」まんまのお年頃だった。

 

ガンズのデビューアルバム「アペタイト・フォー・ディストラクション」はもう何百回と聴いた。聴いてから30年も経つけど、今聴いても血が騒ぐ。なんど聴いてもいい。私の中の名盤、ナンバーワンに輝くだろう。そのギタリスト、シルクハットとサングラスがトレードマークのスラッシュは、いつも「ジャックダニエル」のウイスキーをラッパ飲みしている。スラッシュのファンなので当然「ジャックダニエル」に興味がわく。

 

すると私と同じロックファンの女友達が「ジャックダニエルを手に入れた」というではないか。これはぜひ飲まねばなるまい。さっそく友達の家に行く。はじめてみる本物のジャックダニエルとご対面。「おおー、スラッシュが飲んでいたのと同じだ」と感動した。怪しく光る琥珀色の美しい液体、英語で書かれたブラックラベルが格好いい。危険な世界への入り口、無法者、警察御用……。匂いをかいでみる。うわー匂いだけで酔っ払ってしまうよ。そんな人のために当時は「ウイスキーのコーラ割り、通称コークハイ」が流行っていた。お子様にはぴったりの飲み物だ。

 

危険な香りのウイスキーでもコーラで割ってしまうと、とたんにカジュアルな飲み物になる。ウイスキーの分量によってもちがうが、なかなかおいしく飲めてしまう。スラッシュも驚くだろう。しかし割って飲んでもウイスキーの匂いと味は強烈だ(だったらただのコーラにすればいいのに)。

 

当時の洋楽を紹介する番組、司会は小林克也の「ベストヒット USA」をよく見ていた。番組は終了し再開し、今でも放送されているのには驚きだ。その「ベストヒット USA」でミュージックビデオを見ながら「ウイスキーのコーラ割り」を飲むのが定番だった。飲みながら、バンドにあわせて一緒に歌った。バンドとの一体感、高揚感、親にかくれてウイスキー飲む後ろめたさ、テンションMAX、今夜は最高だ。昼間だけど。

  

友達はスキッドロウの大ファンだった。なかでもボーカルのセバスチャン・バックに惚れ込んでいた。身長190cm以上のすらりとした長身、超絶イケメンの美形、ストレートロングの金髪。当時は熱狂的なファンが多かった。知らない人は検索して見てほしい。今どうなっているのか気になってWikipediaで調べたら、ただいま52歳、やはり年相応で少し肥えていた。

 

ウイスキーのコーラ割り」を覚えてからは、そうやって友達と集まって飲む機会が何度かあった。ある時めずらしく飲みすぎてしまって、とても気持ち悪くなってしまった。家に帰ってすぐ寝たが、あくる日の朝にはじめて二日酔いになってしまった。気持ち悪くて朝ごはんなんてまったく食べたくない。しかし食べないと母に怒られると思って、いつもどおり食べた。学校へ行く途中、自動販売機に「コカコーラ」が売っているのが目にはいった。それを見るだけで吐き気をもよおした。しばらくその自動販売機から目をそむけて通学する日々がつづいた。

 

今でもウイスキーは匂いだけで酔ってしまいそうで苦手だ。それと同時に、ロックバンドのビデオを見ながら飲んだ「ウイスキーのコーラ割り」のことを思い出す。

 

 

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眠り

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睡眠はとても大切なので充分にとっている。毎晩だいたい夜9時には布団に入る。横になったとき、つい体から小声がでてしまう。1日の疲れがじんわりと感じる。すべての物事がおわり、なにも遠慮することなく体を横たえる、いちばん幸せなときのひとつだ。

 

枕元のちいさな灯をつけ寝ながら読書をする。灯は電球色なので、暖色系のあたたかみがある色だ。昔から人工的ではっきり見えすぎる蛍光灯よりも、電球色のやさしく落ち着ける間接照明を好む。

 

一時間ほど読書をして10時には寝てしまう。その前に、たまに強烈な眠気がおそってくるときがある。だんだんとまぶたがさがってきて、どうにもがまんできない眠気だ。気がつくと目が閉じている。読んでいる本を落としてしまう。これを何度かくりかえすと諦めて電気を消し眠る。

 

なかなか眠れないというのはあまりない。寝る前に気が張っていたり、考えごとをしていると目が冴えてしまう。そういうときは深呼吸を何度かし、酸素をたっぷりと吸い込んでやる。そうするといつのまにか眠りにはいっている。起床は6時半だ。睡眠時間は日によって多少変わるけどだいたい8時間半寝ている。

 

以前、会社勤めのころは寝るのがおそかった。帰宅時間がおそかったから午前0時前に寝るのはありえなかった。寝るのは深夜1時をこえ、2時すぎとか。同僚では3時、4時の人もいた。ほとんど明け方の異常な時間だ。この仕事をやっていると夜型人間になってしまう。始業時間は日によって変わるが、10時からが多かった。通勤に一時間かかる。家で過ごす時間は2時間ないといやなので起床は7時すぎだったか。ちゃんとご飯を炊いて朝ごはんを食べていた。ほかほかご飯が好きなのだ。

 

ごくまれに徹夜仕事があった。急に仕事がやってきて、どうしても朝一番にしあげなくてはいけない。気分が滅入る最悪の事態だ。文句を言っても仕事がおわるわけじゃないので、早く仕上げるため黙々とかたづけていく。文句を言っているひまがあったら、手を動かしたほうが建設的だ。

 

外の深くて濃い闇がだんだんとうすくなってきた。空がうっすらと明るくなっている。早起きの鳥のさえずる声が聞こえる。もう明け方、始発の電車がそろそろ走る時間。もうろうとした頭と体をかかえ始発の電車に乗る。さらに乗り換え電車に乗る。ここまでくれば大丈夫。最寄駅で寝過ごさないよう気は張っているが、気がつくと短時間で暴力的な眠気におそわれてしまう。「ここはどこだ」とハッと眠りから冷める。まわりを確認して「まだ大丈夫だ」その繰り返し。無理もない、一睡もせず徹夜したのだから。最寄駅でどうにか寝過ごさず降りる。今日は休みだからゆっくりと寝させてもらう。起きるのはお昼だ。今ではその生活はとても考えられないし、二度と戻りたくない。

 

 

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パジャマ

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寝巻、寝間着、パジャマ、ナイトウエア、寝るときに着るもの。こどものころは「ねまき」と言っていた。いまは「パジャマ」と言っている。もともとは浴衣のような形の「寝巻」だったが、当て字の「寝間着」になったようだ。

 

寝るときはなにを着るのか、着ないのか。全裸の人もいるだろう。パンツを脱いで寝ると健康になるという「ノーパン健康法」もある。当時は健康法だとは知らなかったが、夏に一度やってみたことがある。シーツにふれるとサラサラとして気持ちがよい。でも守られているものがない無防備な体、スカスカとしてちょっと落ち着かない。それにシーツを汚してしまいそうで気になり、それきりでやめてしまった。

下着だけの人もいるだろうし、以前わたしもその時期があった。洋画を見ているとベッドで寝ている男女はパジャマを着ていない。下着だけが多いように思える。かと思えば、寝る時用の締め付けの弱いパンツもある(知らなかった)。

 

ジャージや部屋着のまま寝る人も多いらしいが、寝るときはパジャマに着替えたい。以前、旅行のときにやむおえず部屋着で寝たことがあるが、リラックス感がなくて落ち着かなかった。部屋着だとあれこれ動きまわっているし、日常の汚れがついているようで寝るときに持ち込みたくない。世の中の人の好みはさまざまだ。

 

いまは必ずパジャマを着ている。通年用、夏用と何着か持っている。夏は暑いので半袖のパジャマを着ていたときもあったが、意外と体が冷えてしまう。はじめは涼しくていいけど、寝てる間は寝返りもするし、タオルケットもはだけてしまって、肌がひんやりと冷えてしまっている。とくに真夏はクーラーをつけっぱなしにするので、半袖では冷えてしまう。

七分袖のパジャマならどうかと(下は七分丈のセット)しばらく着てみた。これも同じだ。寝始めは快適だが、夜中に露出した肌が冷えてしまって寒い。タオルケットをかけても、いつのまにかはだけている。

やはり夏でも長袖長ズボンのほうがよい、と先日パジャマを新調した。夏用のとてもうすい綿100%の生地だ。ラベンダー色で花の模様がかいてある。これがとても涼しく快適でかなり気にいってしまった。以前なら「えー、夏に長袖長ズボンなんて暑い」と言っていたが、夏用の快適なものがあるとは知らなかった。 

 

泊りがけの旅行のときはどうするか。旅館ではそなえつけの浴衣がある。大浴場に行くとき着られるし、食事のときも着て食事処に行くことができる。人によっては楽だろうけど、動きづらくてどうも馴染めないのであまり着ない。パジャマを持っていかなかったので、浴衣を着て寝てみたが、前や下はバサバサとはだけてしまうし落ち着かなかった。

別な旅行のときは、Tシャツなど楽な部屋着を着て寝たけど、リラックスできなくてどうも落ち着かない。やはりパジャマじゃないとだめだと、今は旅行のときはかならずパジャマを持参している。これがあれば寝床がちがっても、いつもどおり安心して寝れる。

 

先日、行きつけの整体に行った。最近胃腸の調子がよくなかった。今まではそんなことはなかった。先生は「体の冷えが胃腸の不調になることもある」と言った。そのときはくるぶしが見えるほど短い丈のスニーカーソックスを履いていたが、それも不調の原因だという。「夏でも足首はちゃんと守ったほうがよい」と言われた。足首には太い血管があり、冷やしてしまうと体の冷え、不調につながる。

信頼できる先生なので、その日からスニーカーソックスはやめた。寝るときは足首にレッグウォーマーをつけた。朝起きるとひんやりとしていた足首はレッグウォーマーのおかげで温かくなっている。

 

さらに「寝る時は腹巻をするか、パジャマの上をちゃんとズボンのなかに入れ、お腹を温めるといい」と教えてもらった。ヘソのまわりの皮膚はとてもうすいらしい。子供のときは母に「お腹冷えるから、ズボンのなかに入れなさい」と言われてその通りにしていたのに、大人になるにつれ、いつのまにかズボンの外に出していた。今はお腹を冷やさないように、またズボンのなかにビシッと入れている。