観察記・メガネが落ちている

f:id:m-kite:20210330105655j:plain

(3月2日)近所で買い物をした帰り道、メガネを見つけた。道端でメガネとは新鮮だった。だいたい道端に落ちているものは決まっている。石ころ、落ち葉、ちいさなゴミ、冬は手袋くらいのものだろうか。いったんは通りすぎ何歩か歩いた。しかし頭のなかで「道端でメガネ」という存在がひっかかり「せっかくのネタなのにここで通り過ぎたら後悔するのではないか」と考え、対向車線の信号待ちの自動車たちの視線も気になったが「自分が思っているほど他人はなんとも思っていない」と思い直し現場に戻ってみた。やはり見間違いではない、メガネだ。親切な誰かが見つかりやすいように置いてくれたのだろう。少し高い位置にある植木がある場所に置いてあった。スクエア型のレンズにべっ甲柄のフレームだった。落とした人は困っていることだろう。とりあえず証拠写真だけ撮ってそのまま家に帰った。

(3月23日)先日メガネを発見した場所を通り過ぎ、道をまがって路地に入り歩いていると、またメガネを発見した。なんという遭遇率。先日のメガネから21日間経っている。ここらへんはメガネの宝庫か。落とす人がそんなにいるのか。

f:id:m-kite:20210330105715j:plain

(3月30日午前)そして今日に至る。2枚のメガネ写真をじっくり見て驚いた。それぞれ別のメガネだと思っていたのはどうやら同一メガネっぽい。カタチも色も似ているからだ。ふたつの落ちていた場所は100メートルほどは離れていると思う。しかも途中で道をまがらなくてはならない。どうやって移動したのだろう。あれこれ想像した。

(3月30日午後)買い物へ出かけた。帰り道に「そうだ、あのメガネはまだあるのかな」と思い歩きながら探すと、あった。レンズ部分は下になっていて前にみた時のまま。そのまま通り過ぎたが「本当に同一メガネなのか」と気になり現場に戻ってみた。意を決しメガネをひっくり返して驚いた。フレームはべっ甲柄ではい。踏まれたらしくレンズは両方外れていた。初めのメガネとは別のメガネだったのだ。

f:id:m-kite:20210330143025j:plain

 あ、今思い出した。少し前に隣駅で信号待ちのときにメガネが落ちているのを発見した。車がバンバン通る道路なのでいつ踏まれるかハラハラした。メガネってけっこう落ちているんだね。