コンタクトレンズ

f:id:m-kite:20200622145507j:plain

 

もう30年もハードコンタクトレンズを付けている。

 

中学生の頃から黒板の文字が見えづらくなり、メガネを作った。授業中はメガネをかけていたが、付けたり外したりで日常的にかけることはなかった。

高校生に上がるときコンタクトレンズにした。乱視が入っていたので、かたいハードのレンズだ。乱視はモノがぶれて見える。二重に見えるというがそれどころではない。何十にもなっている。例えばひとつの小さな丸い光。遠くに離れていくほどに、ぶれて小さな丸が増えていって、やがてひとつの大きな円がぼんやりと見える。

 

視力はどんどんと落ち、コンタクトレンズがないと日常生活をおくれない。今では両目0.02程度か。眼科の先生に「落ちるとこまで落ちましたね」と言われた。目がいい人だと、0.1も余裕で見えないなんて信じられないだろうな。視力が落ちつづけるのは現在進行形なのでこわい。視力の検査をすると去年よりも落ちている。どこまで落ち続けるのだろう。

 

メガネはレンズが分厚くなりすぎるので使わない。目がとても小さく見えてしまうのが嫌だし、レンズのまわりの曲面で見ると視界が歪んでしまって危ない。メガネを通して見る世界はモノが90%くらいに縮小されて見える。これじゃまるで村上春樹の「TVピープル」みたいじゃないか。

 

裸眼で0.02の視力だと世界は全部ぼやけている。人の顔、表情がまったくわからない。本の文字は5センチ程度に近づけなければ見えない。

そういえば中学生のとき「部活の先輩に廊下で会ったら必ず挨拶しなくてはいけない」決まりがあった。あるとき先輩に「廊下ですれ違ったのに挨拶しなかった」となじられたことがある。その時はメガネを外していたので、人の顔なんかわからんよ。今考えるとくだらない決まりだと思っていたけど、当時は先輩って怖かったよね。

 

ある日の朝コンタクトレンズを付けようと、洗面所にポールチェーンで繋がっているゴムのフタをし、左のレンズをケースから外し洗った。裸眼だからぼやっとして見えない。毎日のことだから慣れた手つきでやっていた。さてレンズを付けようとしたその時「レンズがない!」とりあえず右のレンズを付けて見る。ゴムのフタが少しずれている。しまった。左のレンズはどこにもない。どう考えても洗面所の排水に流してしまったことは明白だった。「あー、やってしまった……」

 

こういう時のために予備レンズがある。以前使っていた古いハードコンタクトレンズだ。視力が落ちたので作り変えたのだ。ないより全然マシ、これがあって助かった。それを付け朝一番でレンズを買いに眼科に走った。

 

今のレンズは4年も使っている。寿命は2、3年なので、両目のレンズを新しくすることにした。古いレンズを検査して見てもらったら、小さな亀裂が入っている。「痛みや違和感ないですか?このレンズは危ないから使わないでください」と言われた。今回は緊急時だからしょうがない、使うのはもうやめよう。私の新しいレンズは度が強いため在庫がなく、とりよせに一週間もかかってしまう。しょうがない。

 

以前レンズをなくしてしまったときに、予備用に使い捨てのソフトコンタクトレンズを買っていた。一番度が強いのにしたけれど、私ににとっては弱い。パソコンの文字はぶれて見えづらい。買ったとたんレンズをなくすことはなく使わないまま使用期限が2年も経ってしまった。しかしないより全然マシだし、新品だから清潔だ。新しいレンズが届くまで、この使い捨てレンズを使っている。右目はハードレンズ(角膜より小さい)、左目はソフトレンズ(角膜より大きい)と奇妙なことになっている。(上のイラスト参照)

 

 昨日、無事に新しいレンズが届いた。今は快適に過ごしている。

 

 

ひざねこ ぬいぐるみ ホワイト オッドアイ Mサイズ

ひざねこ ぬいぐるみ ホワイト オッドアイ Mサイズ

  • 発売日: 2016/06/21
  • メディア: おもちゃ&ホビー