クリスマス

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12月になると街は赤、緑、金色できらきら。クリスマスツリーや色とりどりのイルミネーション。年に一度のクリスマスがやってきた。子供の頃はわくわくしたものだ。クリスマスツリーのてっぺんのお星様が欲しい。金色でキラキラしていて大きくて一個しかない。とても特別で大切なもののように感じる。ショートケーキのいちごみたいな。欲しくてもじっと眺めるだけで星を盗んだりはしない。見るだけにして頭の中へしまっておく。自分できれいだと思うものは、なんでも私のものさ、ってスナフキンか。

 

子供の頃サンタさんを信じていたという人も多いだろう。朝起きたら枕もとにプレゼントがおいてあったとか、イベント会場でサンタさんを見たとか。今ではコンビニやピザ配達の人までもサンタさんになるので、世界中に大勢のサンタさんがわんさかといる。ちなみに家ではお父さんがサンタさんに変装してやってくるという凝ったことはやらなかった。やっても詰めが甘くて「あ、お父さん……」なんてバレちゃったりして。

 

サンタさんのことは、小学生低学年の時にはすでに信じていなかった。なぜならクリスマスプレゼントは親と一緒に買いにいくからだ。前もってデパートに行き、好きなものを買ってもらう。私のサンタさんは親なのだ。本当に欲しいものを自分で自由に選ぶ楽しみ。おもちゃ売り場はもう子供たちでいっぱい。みんな目をキラキラさせて選んでいる。そのときは動物のヌイグルミが好きだった。ふわりとやわらかく、やさしくてあたたかい。選んだものはきれいなプレゼント用の包装紙に包んでもらう。とてもうれしかった。クリスマスまで親が隠しておくからおあずけ状態。しかし押し入れに隠しているのは知っている。待ちに待ったクリスマス当日にプレゼントをもらう。中身はわかっているのになんてワクワクすることか。

 

クリスマスツリーの飾り付けも楽しかった。ちいさな星やらサンタさんや雪などを、ちまちまと飾り付け、最後にカラフルな電球を巻きつける。童話にでてくる夢のなかの世界みたい。電球がピカピカ、キラキラしてなんてきれいなんだろう。

 

当時のクリスマスケーキはバタークリームケーキが主流。バターの代わりに、マーガリンやショートニングで代用しているので油っぽい。あまりおいしいものではなかった。ふわっとあっさりしておいしい生クリームケーキは高価だった。クリスマスに家電製品を買ったとき、大きなクリスマスケーキをもらった。「こんなに大きなクリスマスケーキ!」と、とてもうれしかったけど、家に帰って箱をあけてみたら、バタークリームでがっかりした。クリームに色付けしたピンクのバラ、緑の葉っぱが、これでもかという位こってりと飾ってあるのだった。「なーんだバタークリームかぁ」って。しかし今考えてみると、あたたかでほほえましい思い出だ。

 

今日はスーパーで売ってたちいさなチーズケーキを食べる。これでじゅうぶん。ふだんはケーキは食べないけどせっかくだから。今夜は少しクリスマスぽく、ささやかな晩御飯にしよう。メリークリスマス。 

 

クリスマス・カンパニー(吹替版)

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