光り物

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 光り物といえばなにを思い出すだろう。ダイヤやルビー、流れ星、イナズマ、裸電球、おやじのハゲあたま。世の中にはいろんな光り物があるけど、今回は寿司ネタの光り物の話。

 

寿司ネタでは光り物がすきだ。アジ、イワシ、サンマ、サバなどの青魚。青魚って、マグロや鯛やカジキに比べるとちいさくて弱々しくて地味なイメージ。イワシにいたっては、漢字で弱い魚(鰯)って書くし、値段も安いし、稚魚からちりめんじゃこや煮干しに加工されてしまうし、かるく見られそうなイメージ。

 

水族館でイワシの大群を見たことがあるけど幻想的だった。体のウロコをキラキラと銀色に光り輝かせすばやく泳ぐ。まさに光る魚。大群で機敏に行動するのは、捕食者に狙われる確率をさげるため。ほかの大きな魚やエイが通ると瞬時に群れは割れ、またすぐもとの大群に戻る。一匹はちいさいのに大群でひとつの意思をもっている巨大な生物のようだ。水の中の生物は見ていて飽きない。いや、生物がいなくとも、水辺や海や波をぼうっと見ているだけでも飽きない。心がおだやかになり、いつのまにか癒されている。

 

寿司ネタではなぜ光り物がすきなのか考えてみると、子供のころからよく食べていたからではないか。漁業の盛んだったから地域だから新鮮なものが手に入る。イワシやサバの焼き魚をよく食べていたし、シメサバも当時から食べている好物のひとつだ。

 

先日ひさしぶりに回転寿司に行った。回転寿司はいろんなネタがあって、アレコレ流れてくるから楽しい。たいして量も食べないのだけど「よし食べるゾ」と気合がはいる。開店直後なのでお客もすくなくレーンにあまり流れていないので、すきなネタを注文する。さすがに出てくるのがはやい。「ここの席は白の皿だっけ」と目印の皿が流れてくるのを待って取る。ゆっくり流れてくるから「取れない」なんてことはないのだけど、ちょっとだけ緊張する。緊張してあせって取りこぼしたらはずかしい。

 

まずは旬のトロアジを取った。身はたっぷりとしていて、ネギとすりおろし生姜がちょこっとのっている。醤油をちょびっとつけて、ひとくちでパクリ。うん、新鮮で適度に脂がのっていながらさっぱりとしたお味。イワシも取った。イワシは毎回かならず食べる。トロアジと同じくネギとすりおろし生姜、トロアジより気持ち細身。うん、イワシだ。しかしアジとの味のちがいはよくわからん。今回は食べなかったけど、生サンマのちがいもわからん。あとはマサバを食べ、トロアジをまた食べた。

 

蟹味噌も好物なので食べた。かわりもので「海老フライアボカドロール」を食べた。海苔を内巻きに巻いたシャリの上に朱色のつぶつぶトビッコがのっていて、アボカドとの色合いも鮮やか。海老フライとあいまって、満足するおいしさ。結局、光り物4皿、ほか3皿の合計7皿、デザートにミニパフェのようなものを食べた。これでお腹いっぱい、ごちそうさまでした。