梅雨とカタツムリ

f:id:m-kite:20200724170410j:plain

 

しとしと雨が降っている。今日の天気予報は一日中、雨。昨夜寝ているとき、外でざあざあ降っている音がした。目覚ましなしで7時に起きた時にはすでに雨が降っていた。空を見ると一面、明るいライトグレーだった。雲のかたちは見えない。すべてがぼんやりとした雨雲でおおわれている。そして今、自分でつくった水出しアイスコーヒーを、透明でちいさなグラスにそそぎ、ちびちびと飲みながら書いている。

 

さてブログに何を書こうか。一日置きに更新だから、時間があるときは記事を余裕もって書くけど、もう貯金がなくなってしまった。雨降りの朝、起きてからすぐ「あ、あのときの」と鮮明に思い浮かんだ情景があった。それは小学生のときの話。

 

梅雨といえば、カタツムリの出番。あれ、そういえば最近見ていない。子供のころはよく見かけていたんだけどなあ。なぜ見かけなくなったのか。カタツムリがいそうな場所をよく見てないからだろう。あのころは好奇心旺盛だし、時間に余裕もあった。いや、物理的な時間の余裕というより、精神的な余裕というのが大きかったのかな。気持ちにゆとりがあれば、よくまわりも見渡すし、気づきもある。

 

アジサイにくっついているカタツムリは、定番中の定番。まさに「これが見たかった」という風情がある。子供のころカタツムリを見かけるとうれしかった。体調1、2センチほどで小さくてかわいい。渦を巻いてる貝殻をせおっている。目玉がついている二本のツノをさわると、ツノをひっこめる。ぬらーっとノロノロ動いて、通った道筋にはぬらぬらと光る粘液の跡がついている。体は水分量がおおく、保湿されて潤っている。

 

そのかわり暑さに弱い。子供のころ晴れている時に、植物や壁にくっついているカタツムリを見かけたものだ。貝殻に閉じこもって動かない。冬眠はもちろん、夏の時期には夏眠もする。

 

小学生のときの下校時間。今みたいな梅雨の時期だった。そのときは雨上がりで路面がぬれていた。学校から家までは近くて、歩いていける。通い慣れたアスファルトの道路を歩いていた。ふと先のほうを見ると、なにかがおかしい。道路の色がちがうのだ。通りの右に理髪店があるあたりだ。だんだんと近づくと細かいなにかがちらばっているのがわかった。

 

それはおびただしい数のカタツムリだった。いや、カタツムリではない。カタツムリによく似ている、貝殻が斜めってるオカモノアラガイだった(調べて名前を知った)。このオカモノアラガイはカタツムリに比べて人気がなかった。カタツムリのほうがかわいい。

 

オカモノアラガイの大移動。黒っぽいのアスファルトの道路に、クリーム色のオカモノアラガイが隙間なくびっしりと一定方向に動いている。車が通る道路だから道幅もそれなりに広い。道路いっぱいに陣取っているから踏み潰されているのもたくさんある。それでも生きているほうが断然おおい。ゆっくりと、しかし確実にどこかへ進んでいく大群。「うわあ」とその光景にびっくりした。引っ越し先はどこだったのだろう。

 

 

カタツムリ・ナメクジの愛し方 日本の陸貝図鑑

カタツムリ・ナメクジの愛し方 日本の陸貝図鑑

  • 作者:司, 脇
  • 発売日: 2020/07/16
  • メディア: 単行本
 
かたつむりのひみつ (しぜんにタッチ!)

かたつむりのひみつ (しぜんにタッチ!)

  • 作者:武田 晋一
  • 発売日: 2013/02/19
  • メディア: 単行本