シャンプーとリンス
お風呂に入って頭を洗う。シャンプーして流す、コンディショナーして流す。なにも疑問に思わず当然のようにやっていたけど、あるとき疑問に思った。
「コンディショナーって必要か?」
子供のときはコンディショナーじゃなくてリンス。当時は「メリット」というブランドが定番で我が家でもそれだった。色は乳白色のエメラルドグリーン。なぜかリンスは洗面器に入れて、お湯でうすめて使っていた。親がそうしていたからおのずとそうなったのだけど、みんなの家ではどうだったのだろうか。
ためしに夫に聞いてみたら「あぁ、たしかにメリットが定番でうすめて使っていた」と言った。私と夫の実家は北と南にわかれている。ということは、昭和の子供時代は全国にわたってこの使い方だったのではないか。サンプル数は2つしかないけど。
その「うすめたリンス」を髪にザバーっとかける。しばし待ったほうが髪に浸透するような気がして、目をつぶってしかるべき時間を待った。うかつに目を開けてしまうとリンスが目に染みて痛い思いをするから気をつけなければいけない。
小学生だった私はもう大人の気分になって「シャンプーハット」は使っていなかった。それより幼い時は使っていたかもしれないけど思い出せない。「シャンプーハット」は子供が使うもので、それを使わなくなるときが「大人になったしるし」だと思っていた。
「ん、シャンプーハット、やっぱり子供のときは使ってたよね?」と思い、また夫に聞いてみた。「うん、子供のときはたしかにシャンプーハットを使っていた」やっぱり。
「すこしリンスを頭に残したほうがいい」という教えがあって忠実にそれを守っていた。今思い出したけど、小学生なのに髪にフケがあったのはそのせいではないのか。本当はちゃんと洗い流さないといけないのに。気になって夫に聞いてみたら「あぁ、たしかにリンスは軽くゆすいで髪に残していた」と言った。全国共通か。
冒頭の疑問にもどります。「コンディショナーって必要か?」
コンディショナーって髪にザッとつけたらすぐに洗い流すし、意味あるのかなと思った。ネットで調べてみると、女性でも「使わなくてよい」「シャンプーのみ」という意見がけっこうあって驚いた。
私はその日からシャンプーだけにしてみた。もしかしてギシギシしたりゴワゴワしたりするのではと思ったが、まったくそんなことはなくいつもと変わらない。数ヶ月経ったけど何も変わらず拍子抜けしてしまった。リンスやコンディショナーはダメージヘアを補修するものなので、もともとダメージがない人には必要がない。私は毛染めなどしていないので全く必要なかった。
一人暮らししてから20年以上、いったいどれほどの「不必要なコンディショナー」を買っていたのだろう。いや、はじめのころは、カラーやブリーチしていた時期もあったからダメージはあった。「トリートメント」もするとたしかにツヤツヤになって効果はあった。
今は値段の安いシャンプーを使っているけど、以前は1000円、3000円の高いものを使っていた時期もあった。今では信じられない。