グレープフルーツとかミカンとか
ミカン、オレンジ、グレープフルーツとかの柑橘系が好きです。
子供のころ、グレープフルーツに白砂糖をかけて食べていた。子供のころだから家庭環境によるのだろう。お母さんだってそうやって食べていた。白砂糖のほかに蜂蜜も登場した。今はそのまま食べるのが好きだけど。
グレープフルーツを包丁でふたつに切ると、汁気たっぷりのみずみずしい切り口があらわれる。そのうえに白砂糖をサラサラとふりかける。降り積もった純白の雪のようなソレは、ほどなく果汁で湿ってきてトロンと蜜のようになり溶けていく。
先が細長くギザギザになっている専用のグレープフルーツスプーン。グレープフルーツの果肉に沿ってぐいっとスプーンをさすと、かんたんに果肉がほじれる。果汁もすくって一口。白砂糖とあいまった甘酸っぱい幸せが口いっぱいに広がる。
冬の定番、ミカン。家ではミカンは箱買いしていた。こたつでミカン、おやつにミカン、何か食べたいときはミカン。家族でミカンを食べまくっていた。そんなある時、お父さんはみなに向かってこう宣言した。
「ミカンはひとり10個まで!」
え、10個かぁ。幼心のわたしはちゃんと守って食べていたかどうかは忘れた。しかしこの後に起こったことは決して忘れはしない。
ほどなくして手が黄色くなってきた。いや、黄色人種だから黄色いのは当たり前だけど、あきらかに色が黄色く濃くなっている。しかもわたしだけでなく家族全員。なにか変な病気になったのだろうか。
心配したお母さんは家族みんなを病院へつれていった。先生に症状を話し手を見せると、あっさりとこう言った。
「ミカンの食べすぎですね」
ミカンを食べすぎると皮膚が黄色になる症状、柑皮症(かんぴしょう)という。お父さん、ミカン一人1日10個でも多かったんだよ。